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今こそ必要なCRMとは?

第5回 顧客データを銀行に預けるという発想

弊社では、弊社の資金を銀行に預金をし、運用している。

いまさら何をいっているのかと不思議に思う方も多いと思う。皆さんも銀行に預金をし、そして(現在、預金利率は限りなく0に近いが・・)金利を受け取っていると思う。現在の日本では、現金を銀行に預けることが当然のことのようになっている。

一方、現在の企業活動では大変重要な資産と考えられる顧客情報については、いまだタンス預金が安全だと思われているようである。しかし、冷静に考えてみると顧客情報についても、銀行に預ける方がメリットはずっと多いはずである。

まず、情報の『保管』という点でのメリット。顧客情報を取り扱う主なセクションは、営業部、マーケティング系部門、情報システム部門などである。それぞれの部門にはいわゆる本部と現場がある。本部では情報の取り扱いに対するリテラシーが高く、十分なセキュリティによる管理がされている。社内もしくは関係者からの情報漏えい対策も、権限管理やコンプライアンスプログラムの遵守がなされている。
しかし現場では、その統制が崩れがちである。セキュリティを十分に検討しないまま設計されたキャンペーン用ホームページが公開されていたり、オフィス内で顧客リストやCD-ROMなどが、無造作に放置されていたりする状況をよく見かける。こういったセキュリティホールや顧客情報の放置は常にあちらこちらで起こっている。
顧客情報を「銀行」に預けた場合、システムを通じて預けた情報にアクセスして利用する。利用可能なスタッフ各人には、利用権限が詳細に設定され、アクセスした際にはその操作ログがすべて保存されているという状態が実現する。
このように、個人情報が現場で利用はできるが、所有はできない状態を作ることが個人情報を安全に保護する最善の方法ではないだろうか。

つぎに情報の『運用』という点でのメリットを見てみよう。企業のマーケティング部門や営業企画部門は常にどのように自社のブランドを確立し、認知度を上げ、集客し、成約につなげるかを考えている。
いろいろな情報を収集し、その情報を自社の状況にあわせながら仮説を立て、戦略を構築している。しかし、他社の状況、事例についての知識は限定的である。情報ソースも、新聞・雑誌などを中心としたメディアや俗人的な異業種交流会、勉強会といったところである。ここにマーケティングコンサルティング会社などを利用すれば、高額なコンサルティングフィーが発生し、予算を大きく消費してしまう。そういう点でも「銀行」が大きな威力を発揮する。

当社を例にとれば、500社を超えるお客様との情報交換やCRM活動の実行支援を通じて得た膨大なノウハウがある。守秘義務があるため、個別の企業のCRM活動手法を公開することはできないが、蓄積したノウハウをもとにお客様企業のさまざまな状況にあわせて、最適なCRM戦略の提案を行っている。
多くの企業では、同業者の動向には敏感だが、異業界の成功事例などについては、あまり詳しく知らない場合が多い。銀行はコンサルティングをすることが事業目的でないため、コンサルティングで決して多大なフィーを要求しない。「銀行」が提供してくれる豊富なノウハウを取り入れながら、自社にとっての最適な戦略を模索できることが、第2のメリットである。

現在では銀行に資金を預けることは当然となっているが、世の中で初めて銀行という発想が生まれたときはどうだったのだろうか?

■銀行の営業マンが言う、
「銀行といいます。あなたのお金を私に預けてもらうと、1年後に2%加えてお返しします。」
、、、あまりに怪しい。

■銀行の営業マンが言う、
「堅牢な金庫でお守りしますから、泥棒や地震、火事の場合も安心です。」
、、、いや、あなた(銀行マン)のことが一番不安だ。

当然の真理である。私もそういう状況であれば預金はしないだろう。
しかし、現在すべての銀行は上記の点では安心である。

では、個人情報についてはどうだろう? まだまだタンス預金が主流である。しかし、今後『個人情報の銀行』が一定の存在意義を持つときが必ずやって来ると私は考えている。私たちは、すべての企業、社会から信用・信頼される『個人情報の銀行』になりたいと思っている。

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