本コラムでは、折にふれてメールマーケティングの重要性や、実践におけるノウハウについてお伝えしてきました(第3回記事)。そこでは「メールという媒体の特性をどのように有効活用し、成果に結びつけるか」を主眼においてきました。今回はメルマガ担当者の永遠のテーマ「いかにして有効なコンテンツを生み出すか」について、メールマーケティングが困難とされる「BtoB分野」を想定してお届けします。
業界の特性からメール配信を検討する
■決算期
BtoB分野では決算期が近くなると、製品やサービスなどの情報収集が活発になる傾向があります。これは当初の年間計画以外の製品購入やサービスの導入を、各部署の年度予算の余剰金「あまり予算」で賄おうとする動きが多くなるからです。BtoB分野では業界ごとに決算期が近いことが多いので、商品やサービスが短納期である場合、メール配信は短期で実施できレスポンスも早いので、成果につながりやすくなります。
■購入決定プロセス
BtoB分野では購入決定に各部門の関係者が関与しており、その決定プロセスが複雑なことが多々あります。メール配信する場合、基本的には実際に製品もしくはサービスを利用する部署の担当者をターゲットとする場合が多いですが、その部署以外にも有効なターゲットが存在する場合があります。それが購入部署と購入決定部署が異なる場合の購買担当者です。購買担当者は、各部署からの購入検討内容を、価格、必要性、競合製品などさまざまな観点からチェックします。購買担当者に製品やサービスの情報を提供することは、商談にくいこむ機会を担当者以外からの得ることのできる重要なチャンネルの創出につながります。その際重要なのは商品のメリットや詳細を伝えることではなく、その商品が何なのかを分かりやすく伝えることです。購買担当者のミッションは、極論するといかに安く商品を購入するかということです。今手元にある検討製品と同じ他社製品があることを認識してもらうことがポイントになります。
商品の特性からメール配信を検討する
■装置部品、消耗品
工場などの生産現場のように、装置の一部品や消耗品として使用される商品が多い業界では、先のコラムでお伝えした「ステップメール」が有効です。製品購入者リストを作成し一定のスパンでメールフォローすることで、顧客の購入機会を逃すリスクを低減することができます。
■商品の仕様・特性
BtoB分野では、規格や商品の仕様などによる使用条件の制限が大きいケースがあります。商品特長の優位性が明らか、もしくは一社独占的な特長がある製品の場合、ターゲットとなる市場によっては即物件や商談につながりやすくなります。代表的なケースでは、特殊な海外規格に適合している製品を海外進出計画を明らかにしている企業にメールPRする、などがあります。
購読者の行動特性からメール配信を検討する
■配信時間
どれだけメール配信しても、購読者に開封してもらわなければ成果につながることはありません。より多くの購読者にメール開封してもらう為には、購読者が席にいる時間を狙って配信することが重要になります。その時間の把握は、数パターンに分けてメールを配信しクリック率を測定することにより可能になります。この作業は全体のメール配信の効果の底上げにつながる重要な作業になります。
■アクションのしやすさ
メールの登録解除の理由の上位には、「内容が代わり映えしない」「何度も送られてくる」などの理由が連なっています。つまり内容的には問題が無かったとしても、飽きられてしまえばメール購読は解除されてしまいます。今後のマーケティングにおいて、メールの購読者が重要なファクターであることは言うまでもありません。それを減少させてしまうことは、今後はより致命的な意味合いを帯びてくることになります。その現象を回避するには、購読者にとって魅力あるコンテンツを提供することはもちろんですが、より具体的なアクションをとりやすいコンテンツやサービスをおりまぜることがポイントです。例えばハードを販売しているメーカーなら、無料メンテナンスの案内など購読者がアクションしやすいコンテンツを提供することにより、購読者のマインドをリセットもしくはプラスに転じることができます。また商品の使用規模や購入キャパシティなどの把握にもつなげることもできます。
上記のようにメールマーケティングは業界や商品、ターゲットなどさまざまな切り口からアプローチできます。その為には業界や商品に対する深い洞察が必要になります。ターゲットへの洞察をもとにしてメール配信を実施し、メール配信の結果をもとにして洞察を得て、さらに効果的なメール配信につなげるスパイラルアップが何よりも重要になります。

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