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CRMを2倍効かせるマーケティング講座 第13回

ソーシャル化するCRMの未来

近年「モバイル、ソーシャル、リアルタイム」をキーワードに次々と新しいサービスやテクノロジーが登場しています。国内でもTwitterブームの過熱、Android携帯、iPadのリリースに代表されるようにモバイルでリアルタイムにソーシャルコミュニケーションを行うことが始まっています。
そうした中、CRMの領域でも「ソーシャルCRM」という新しいキーワードが生まれています。新興のインターネット・サービスや企業を紹介するTechCrunch 別ウィンドウで開く でも「2010年以降に大きく伸びる10の技術」として「タブレット」や「位置情報」などに並んでソーシャルCRMが取り上げられています。今回はこの新しいキーワード「ソーシャルCRM」についてご紹介させていただきます。

そもそもソーシャルCRMとは

まず、一般に「ソーシャルCRM」と呼ばれる時には大きく2つの意味合いがあり、それらが混同されて語られる事が多いようです。一つは社内のコミュニケーションのソーシャル化を目指したもので、「Salesforce Chatter」に代表されるようなCRMのシステムにソーシャルコミュニティの機能を取り入れたものです。ソーシャルネットワークのつながりを社内に持ち込む事により、社内でのコミュニケーション、コラボレーションを活性化させようというもので、一昔前でいうと「社内SNS」で実現しようとされていたものです。
例えば、あなたが営業であれば、「○○業界についての事例ってないかなぁ」というつぶやきをデスクでしたとすると、これまでであれば隣にいる親切な同僚が助けてくれることはあったかもしれません。これがソーシャルCRM上のネットワークでのつぶやきだったとすると、全社員のネットワークを通じて○○業界のスペシャリストから、最適な事例が届けられる事になります。こういった事がスムーズに実現すれば、社内での情報共有の活性化やコラボレーションが飛躍的に高まります。今やFacebook、TwitterなどのソーシャルサイトでのトラフィックがEメール上でのトラフィックを上回るという調査もあり、こういった流れが「ソーシャルCRM」を通じて波及するようであれば、ビジネス環境でのコミュニケーションも今後大きく変る可能性を秘めています。

もう一つ「ソーシャルCRM」として語られるものとして、ソーシャルなコミュニティを前提として企業と顧客との関係性について捉え直そうという動きがあります。これまでは顧客と1対1の関係性の中で満足度、信頼度を高めることで顧客価値(Life Time Value)の最大化を目指そうとしていましたが、ソーシャルCRMでは一人ひとりの顧客に対して、その個人の持つネットワークへの影響も含めて最大化させていこうという流れです。同時に、企業の側も接触する担当者はサポート、営業などごく限られたスタッフが対応するだけでしたが、顧客はソーシャルネットワークを通じて経営層や一般社員など様々な形でコミュニケーションをするため、企業と顧客の関係性は「1対1」ではなく、「n対n」で表されることになります。同時にそのようなコミュニケーションは、例えばWEBサイト上のチャットサポートやTwitterなどでリアルタイムに行われ、従来までのプロセスを中心としたコミュニケーションではなく新しいコミュニケーションスタイルが求められることになります。
それぞれの違いは図式化すると以下のような形で表すことができます。

  誰が? 機能 アプローチ チャネル バリュー モデル
CRM サポート担当者 プロセス中心モデル コンタクトマネジメント 明確に定義されたもの 顧客と連続性のないつながり 単純処理
ソーシャルCRM 全ての従業員が関わる コミュニケーション中心モデル コミュニティマネジメント 力強く、発展性のあるもの 顧客関係性の(Engagement)維持 複雑な関係性

従来まで「ブランディング」や「ソーシャルマーケティング」など別々の言葉で表現され、違う領域で取り組まれていたものは今後「ソーシャルCRM」という括りの中で体系的に捉え直すことで、企業と顧客との関係性をさらに強固にする事になるでしょう。

ソーシャル化の流れは止められない

ソーシャルCRMとして語られるいずれのものについても、旧来のコミュニケーションスタイル、すなわちメールをベースにした企業内のコミュニケーションやコンタクトセンターを通じた顧客とのコミュニケーションを否定するものではなく、それらにとって代わるものには成り得ないものです。

ただ、ソーシャルCRMを取り組む際に企業が感じている懸念、例えば社内のネットワークで時間を浪費する社員が出たり、経営層に対してネガティブな発言が繰り返されたりとか、コミュニティを通じて商品に対してのマイナスイメージが形成されネガティブキャンペーンが行われたりするような懸念は、ソーシャルCRMに取り組まなければ企業の知らない所で発生するだけで、もう既に始まっているソーシャル化への流れは止められません。必要なのは場を用意してコミュニケーションを適切にマネジメントしていくことで、そういった意味では「CRMの成功の秘訣は経営戦略に基づいたCRM戦略である」という事はソーシャルCRMにも同様に言えることでしょう。

【参考文献】
http://www.jmorganmarketing.com/ 別ウィンドウで開く  Understanding Social CRM

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