CRM顧客管理ソフトSynergy! >> CRMコラム >> 第4回 本社の不安 支店の不満

CRMコラム

第4回
本社の不安 支店の不満

 当社は大阪本社、東京支社の2拠点体制をとっている。当社に限らず、複数拠点を持っている会社は多いはずである。私も過去サラリーマン時代に経験したが、情報は本社に集中する。新製品の情報、競合他社の状況、各支店の売上動向、企業を取り巻く法規制の動向など、あらゆる情報が本社に集中し、支店から本社へ情報の一方通行である。そして本社からの統制されたかたちで情報の伝達がされている。

 一般に、情報の流通は活発であることが望ましい。多くの情報を多くのスタッフが共有し意思決定の材料とすることで、より正しい判断を下すことが可能になる。また、人のモチベーションという観点からもメリットがある。ごく一部の情報と一方通行の指示ではなく、多様な情報とそれに基づく意思決定のプロセスの開示が、人のモチベーションをアップさせる。

 さて、観点を本題のCRMにあわせてみるとどうだろう?

 まず、CRM実施の原点となるのは顧客データである。顧客データの所在は企業のCRMリテラシーレベルによって、大きく3つに分けられる。

ステージ1.全国の拠点、部署に顧客データが散在している状態
  本社マーケティング部門、営業管理部門などに散在しているだけでなく、各営業マンのノートパソコンに保存されている状態。また、キャンペーンの応募ハガキは袋に詰められたまま、アンケートデータは業者が納品したCD-ROMに保存されたままなど、データがいろいろな形式で企業内部に散在している状態である。個人情報保護の観点から、もっとも危険な状態である。また、このようにデータが散在した状態ではCRMの効果は限定的であるか、もしくは最悪の場合、全く効果を発揮せず、逆にお客様からのクレームにもつながりかねない。

ステージ2.顧客データを本社一括で一元管理している状態
  個人情報保護の観点から、顧客データの管理を徹底し、その結果本社機能をもつ部署にて一元管理している状態。多くの企業が、現在このステージに進もうとしていると考えられる。個人情報の漏えいを防ぐ効果的な手段と考えられ、支店、営業所単位での個人情報の利用は制限される方向となるが、現場サイドでは従来の業務に支障をきたすということで、別途独断で手元にデータを残しておく場合も少なくない。これも、個人情報保護に対するリテラシーの低さが起こす問題である。一方メリットとしては、本部には膨大なデータが蓄積されるため、データの分析から生まれる科学的なマーケティングを実施することが可能となる。

ステージ3.全社レベルで顧客情報を戦略的に活用している状態
  ステージ2に到達することで、統制された個人情報の保護、本部主導の実証データに基づくマーケティングの実現と、すばらしいことばかりのように感じられるが、実は現場では何も変わっていない状況が続く。現場では相変わらず「今月、販促予算が少し余っているから、とりあえずチラシでも打ってみるか。」といったような、場当たり的な販売促進が実践されていく。いやそれどころか、現場から顧客データを取り上げた結果、CRM的な活動は以前にもまして行われることが無くなってしまう。なにしろ、行いようがないのである。このような状況は企業の営業力低下につながる。個人情報を保護することに躍起になるばかりに、他社に対する競争力が相対的に低下し、企業体力を落としていくことにつながっている。
  そこで重要なのが、企業の現場にも顧客データの分析に基づくマーケティングコミュニケーションを行うためのツールを提供することである。現場に従来以上の強力な武器を提供し、他社との差別化を図ることが、今後の企業のあるべき姿だと私たちは考えている。現場に武器を提供することは当然リスクを伴う。しかしながら、そのリスクはコントロールできるのである。適当なリスクを負い、コントロールすることで、他社に勝っていかなければこれからの企業の成長はありえないと言える。

 『現場に武器を』
  これからのCRM成功のためのキーワードのひとつだろう。

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